『三つ子の魂百まで』ということわざがあります。
文字通り、私自身3歳の頃から培われた経験が、今の会社経営に大きく影響しています。
『障害者』などという言葉は当然知らず、それが普通だと思っていました。
私にとっての『当たり前』は、多くの人にとっては『他人事』
私にとっての『日常の風景』は、多くの人にとっては『ちょっとおかしな光景』
しかし、私は記憶の根底にあるその風景こそが理想の社会だと思っています。

少し変わった人もいて、でもみんなで協力して製造業の仕事をしている。
そういう人たちに支えられて父が社長という立場で働いている。
社長っていうのは偉い人なのではなく、みんなをまとめる役割をする人。

自宅敷地内の作業小屋からスタートした小さな会社は、物心がついた頃の私にとって
『かいしゃ』はこういうもの、『はたらく』や『おしごと』はこういうこと、そう認識させました。
そして、小学校の高学年になる頃には『いつか自分もこうやって社長になるのかな』と 何となく考えたことを今でも良く覚えています。
ポジティブでもネガティブでもなく、『この家の長男だから』という思いでした。

時は経ち、自社で中間管理職として働き始めてしばらくした頃に芽生えた思いから
2015年に独立して株式会社With Youを設立しました。

事業承継ではなく、独立というかたちをとったことや、福祉分野への参入は非常に大変でした。
それだけに、新潟アパタイトを30年以上に渡って守ってきた父の大きさや、それを支えてくれていた 社員の皆さんへの感謝と尊敬の思いが大きくなりました。そして思いました。

この会社をきちんと承継して残していきたい。

小学生の頃に感じた『いつか自分もこうやって社長になるのかな』という感情ではなく、
極めて前向きで、意欲に溢れ、明確な意志を持って事業承継に向き合いました。

私自身は未熟で、至らないところも多く、正直まだまだ不安だらけです。
しかし、小さい頃から見続けてきた『かいしゃ』には、あの頃からずっと支えてくれている 仲間が乗っていて、豪華ではないけど逞しく立派な船になったと思います。

これから少しずつになるかとは思いますが、この船に見合った社長を目指し、精進してまいります